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毎日に気づく、毎日を見つける “ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記”

「ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記」おーなり 由子 (著)

毎日変わっていく季節にある、ちいさな発見やしあわせに気づくこと。

例えば、季節ごとの喜びや、思い出を見つけること。

ハロウィンやクリスマスのような、TVや街頭から伝わる季節感でない、四季や季節への小さな変化。

その目線と感受性から知りうる、日本の季節感。

そういった季節感覚は、豊かに毎日を生きて行くうえで、とても大切な事のように思います。

この本は、日々の暮らしを大切にするからこそ生まれる気づきについて、6年の年月を掛けて一年分の季節がていねいに綴られた、私的な歳時記。

何か言葉では到底伝えきれない、日本の四季や儀式、慣習が持つ感性の豊かさについて、そして作者の毎日を大切にする目線について、感じ入る事の多い本と思います。




例えば、睦月、如月、弥生、卯月、、、。

月の呼び名の、その美しさ。

そして、その意味に込められた繊細さの感性であったり。

例えば、春分・夏至・秋分・冬至。

小暑・大暑・処暑・小寒・大寒。

雨水・白露・寒露・霜降・小雪・大雪。

「季節」で時を表す、二十四節気の多様さと、言葉の豊かさへの気づきもあるでしょう。

十六夜、立待月、居待月、臥待月、更待月、、、。

月の名が持つ豊かさと、「月を待つ」に見られる、ロマンティシズムの感性の発見もあると思います。




また、なんて神さまの豊かな国なんだろう、という感嘆もあるのでないでしょうか。

例えば、 七日にはずした正月のお飾りを燃やして、年の神さまを空に送り、その火でお餅を食べることで、一年の健康を祈る、どんど焼きの儀式。

神さまへ供えた、鏡餅をお下がりとしていただく、鏡開きの儀式。

風邪の神さまを追い払う、風の神送りの儀式。

少しでも、天の神さまの近くへ願いを届けたい気持ちの、花火。

神さまにまつわる儀式や慣習の多さ。その見立ての繊細さです。




自分はなかでも、 「花」へ疫病神が広がらない事を祈る、「花鎮の祭」。

花が散る季節に起きやすい病気に対して、病気に対してでなく「花に対して祈る」という、その見立ての美意識にドキッとしました。

なんて繊細な感性なんだろう、と。




日本の暦と季節、行事。

そしてなにより作者によって綴られた、毎日の私的な小さな発見記。

(本当はこの内容が、一番素敵でおすすめなのですが、とても言葉で表しきれないのです。)

毎晩寝る前、少しずつ読む事が楽しみになる、毎日の豊かや素敵へ、気づきを見つけるための本。

これから定期的に、ぱらぱらとめくる事になるだろうと思う、とてもおすすめの本です。


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