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あの頃の世界への目線へ “まばたきとはばたき”

「まばたきとはばたき」鈴木康広 (著)

この本であり作品集であり、スケッチ集は、なんと形容したらいいんだろう。

見慣れた日常の風景は、目線を一つ変えるだけで、こうも素敵な風景へと広がっていくんだ、という事。

その気づきももちろんあります。

綿棒、りんご、時間、まばたき、ペットボトル、木の葉、、、。

それらが「こう見える、こう似ている」という小さな思いつきと共に、ぐるぐると広がりを持ちはじめ、世界へ宇宙へとイメージが広がって行く様。

その詩のようなダイナミズム。

でもそれだけでもなくって。

誰もが子どもの事にイメージしていたかのような、原風景をなでるような、子どもの頃、世界を見ていた時の新鮮な目線。

その目線へ一緒に連れ戻してもらえるかのような、思考のスケッチ。

それもあるけど、それだけでもないような。

何か言葉では上手く伝えきれない、詩のような、あるいは原 研哉氏が寄せているように「美しい数式」に触れているかのような、ロマンティックで美しい感性に触れているかのような。

ぐるぐるとした驚き、きらめき、発見。

その世界に初めて触れた時の、子どもの頃のような目線に満ちたイメージの源泉とでも言いましょうか。

そして、どうしてこんな目線を持っていられるんだろう?という疑問と、羨望も合わせて。

これ以上の言葉の説明は、自分には難しいのですが、一つ言えるのは「世界と初めて向かう時の、あのころの自分の目線」の存在に気づく本ということです。

そして、そんな類いの本や作品に出会える事というのは、数少ない貴重な体験だとも思います。

ピリッと脳が刺激され、何かが少し回復されるようなあの感じ。

とてもおすすめの本です。


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