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言葉でなく、光景が伝えること “よあけ”

yoake

「よあけ」ユリー・シュルヴィッツ (著, イラスト)

濃密な夜の、夜らしさ。

夜のしずまりや、しめり。

うごくもののない、静止した夜の世界。

そして、だんだんとこもる明るみと、聴こえる鳥のさえずり。

そして、日が昇ったときの真新しい、世界の彩りの美しさ、豊かさ!




キャンプに出た老人と孫とで、夜明けに湖に出る。

たった、それだけの話です。

それだけなのに、

なんでこんなに、今自分の頭の中では、夜の光景が絵本と共に広がっているのだろう?

なぜ、こんなに朝日の光景が、自分の脳内にヴィヴィットに開いているのだろう?

毎日繰り返される、よあけという光景に、なぜ自分はこんなに感動しているんだろう?

という疑問がもたげてくる絵本です。




毎日繰り返されることが持つ、偉大さや奇跡。

繰り返される毎日の、新しさや貴重さ。

言葉でなく、光景だけで、おじいさんが孫に見せたかった事、著者が私たちに見せたかった事、を共有することのできる。

こんなに静かで、美しく、想像力が豊かに刺激される絵本は、見た事がないように思います。

絵本と呼ぶよりも、脳内への光景変化を強烈に呼び覚ます、芸術作品と呼ぶ方が正しいと思われる本。

自分が一番好きな絵本になりそうです。


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