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書籍「オープンデザイン」を図解から眺めてみる “オープンデザイン ー参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」”

Free Universal Construction Kitなるプロジェクトはご存知でしょうか。

当時、「MAKERS」も読んでいなければ、3Dプリンタへもメイカームーブメントにも関心が薄かった自分が、唐突にひっかかったのがこのプロジェクトでした。



子どもたちにとっては、異なるメーカー同士などでも関係なく、自分が持っているブロックでたくさん遊びたい。
ならば、それをつなげられるようしたらいい。
ということで、全く異なるメーカーのブロック同士でも、関係なくつなげて遊ぶ事ができるアダプターの3Dモデルデータを、フリーで配布していく、というプロジェクトです。

ここで面白いと感じたポイントは、3Dモデルデータをオープン化する、という点です。
つまり「データはフリーで放出するから、後は自分で作って、遊んでね」という転換。
モノがつくられるプロセスの変化についての話です。
そこに、まだ言語化できないけれど、何かすごい変化がありそうだなと感じたのが、このプロジェクトを知ったときの記憶でした。


それで、この書籍「オープンデザイン ー参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」」です。

オープンデザイン - 参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」 (Make: Japan Books)
Bas Van Abel Lucas Evers Roel Klaassen Peter Troxler
オライリージャパン
売り上げランキング: 37,401

先に例として挙げた「Free Universal Construction Kit」プロジェクトが暗示していた「これまでとこれからのモノづくりにおける変化の違いって?」への、想像を膨らませるヒントに満ちた本と言えると思います。

この本を読んだ今となって、続きとして一つ言えるのは、デザインデータのオープン化がどうという話ではあまりなかったという事だと思います。
それよりも、はじめは3Dモデルデータの配布という「データだけの世界」だったものが、最終的には使い手によって「モノとなった現実世界」へ転換されている、という変化。
つまり「データからモノへ」という、この転換について想像していく事がポイントだったのだ、という事なのだろうと思っています。

さてこの本。
オープンデザインを語る22の論考の翻訳と、日本からの論考、そして多くの日本での事例によって構成されています。
要は雑多と言えるでしょう。なので、正直つかみ所がないと言う人もいるかもしれません。
インスピレーションを受ける箇所もそれぞれ異なる為、感想自体も大いにバラバラなはずです。

が、この本の最大の魅力は、間違いなくこのつかみどころのない雑多感です。
体系立てられる前の未整理な状況が持つ、読みながら想像が膨らんでいく楽しさに満ちています。
日本語版にあたり追加されている、日本からの論考と、豊富な事例がそれをさらに増幅させている、とも言えるでしょう。

要は、オープンデザインをめぐる想像の旅に出る本、という分類で捉えるのが正しいのだろうと思います。

で、本を旅したなかで、自分はこう歩いた、という地図。
それを少し頭を整理するために図解でまとめてみた、というのが今回のエントリーの趣旨です。

「オープンデザインマップ」というタイトルで、一旦本マップデータはPNGとaiでダウンロード可能なようにしてみました。
転用されたり、改変されたり、とお好きに活用をしてもらえると嬉しいです。

PP_Open_Design_Map


・[PNG] PP_Open_Design_Map.png
・[AI] PP_Open_Design_Map.ai


ちなみに本マップですが、自分が受取った解釈を多分に含んでいるので、書籍にない内容も記載されています。
なのでこのマップは、書籍の「まとめ」としての解釈というより、自分なりに考えてみる時の「タタキ」くらいな感じで機能されていくと嬉しい限りです。

だれかのオープン化が引き金となり、それぞれの解釈版が生まれ、蓄積され、さらに派生していく。
予知せぬ何かがそこで生まれたりもする。
デザインをデザイナーの制御下に置くのではなく、受け手に改変をゆだね、信用する。
多分そういう事が、オープンデザインが持つ本質なのだろうなと、改めて思います。


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