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惚れまくる、考えまくる、語りまくる。まくる人。 “すきやばし次郎 旬を握る”

特に統計などの情報はないと思うけれど、凄い人、才能あふれる人というのは、とにかくおしゃべりです。
これはもう間違いないと思います。

もう少し正確に言うなら「ことその領域について踏み込んだ瞬間、語りまくる人に変わる」ということ。

その事について、とにかく一日中考えまくっている。
だから話し始めたら言葉が止まらない。
そしてしゃべりながらも回転している。
なぜかというと、それが好きで好きでたまらないから。
だから、しゃべりながらも本人はとても楽しそうだ。

どんなジャンルの人であれ、こういう傾向って普遍と言って良いのでないかと思います。

が、ここでのポイントは「多弁=才能」という事では全くありません。
それはどっちかというと結果の話。

そこにある本質とは、「それが本当に好きなものなら、人は勝手に饒舌になる」という事。
さらに言えば「人は、好きな事を話している時の姿、没頭している時の姿が、一番美しい」という事だと思います。

その姿に満ち満ちている本が、この書籍「すきやばし次郎 旬を握る」です。

すきやばし次郎 旬を握る (文春文庫)
里見 真三
文藝春秋
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85歳を過ぎても未だ、とか、6年連続でミシュラン3つ星を、とか、そういった情報は一旦置いておいて良いと思います。

いつ食べるべきか?
どこで取れたものを使うべきか?
どう扱うべきか?
どう握るべきか?
一つ一つの素材について、とにかく目の前で語る、語りまくる。
それはもう、つばが飛んでくるくらいの距離感で、目の前に居り、語りまくっている姿を錯覚しかねない程の近さを覚えるはずです。

そこにあるのは、好きなことを、照れず、正直に、真剣に語りまくる良心。
一言で言えば愛です。
寿司への愛に満ち満ちた本。

ちなみにこの本、膨大な情報量に溢れていますが、寿司についてを知る為の本では全くないと考えた方が良いです。
というより、素人がそれを頭でただ知識として仮に理解したとしても、大した意味はないだろうとも思います。

余計な事は考えなくていい。
隣の人と比べる事もしなくていい。
自分が好きなことに、惚れて惚れて惚れまくって、没頭すること。
それだけを考えてやっていればいいんです。

そういったメッセージを噛み締めるためだけの本、と考えるのが素直に思います。

映画「二郎は鮨の夢を見る」も、同じ理由で素晴らしいドキュメンタリー。



なんというか、希望を照らす光景って、こういうものの中にある気がします。
なかなか出会えない類いの良書であり、ドキュメンタリーです。

二郎は鮨の夢を見る [DVD]
アミューズソフトエンタテインメント (2013-09-25)
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