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「世界で最も美しい本」のバランス “魯迅の言葉”

明けましておめでとう御座います。

さて年初一回目のスタートは、この年末年始に読んだ中で、一番良かった本の簡単な紹介から始めていこうかと思います。

魯迅の言葉
魯迅の言葉
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魯迅
平凡社
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「「てのひらにのる、言葉の聖書のような本」を目指した。」とされる制作意図の通りなんですけれど、まず手の中にスポッと収まる、まさに聖書のようなプロダクト性。
この収まりの良さが、とかくまず心地よくって。

人がずっと手の中に持っていたくなるサイズ感とか触感って何だろう?
そんな緻密な計算があった上で、だからこそこのプロダクト。
という、明確な理由が背景にはある事が、だれが手に取ったとしても、きっと感じられるんじゃないかと思います。

そしてこの、小口まで赤一色でありながらも、ぽつんと文字だけが置かれた慎ましい佇まいの装丁。
何か石庭のような慎ましさと、受け手が持つ想像力の可能性を信頼し、委ねる懐の深さというか、送り手側の豊かな思想や美学が感じられます。

それに出会った時、「ああ、これは良いものだ」と感覚だけで伝わってくる上質なものとの出会いって、人には多くあると思います。
そんな体験の積み重ねが、上質さとは?のボキャブラリーを増やし、深め、より人の解像度を上げていく、という類いの。

この本にも、淡々と最大限に、作り手側が精度を高めて作られた本だけが持つ豊かさが、提示されていると思います。

さらに、魯迅の知恵が言葉として、まさに聖書のように凝縮されたコンテンツ。
この普遍性を持つコンテンツがゆえに、繰り返し読み返され、時代の積み重ねに耐えうるよう、装丁においてもこのような慎ましさと普遍性が必要だったのだと思います。

コンテンツ側からの必要要請と、作り手側からの豊かな感性と強度な美学との、掛け合わせ。
ここまで高いバランスで出来上がった本に出会える体験は、数少ないと思います。

ドイツの2013年「世界で最も美しい本コンクール」で銀賞に選出された本。
ぜひ、実際に手にとって頂き、本が持つ豊かさを存分に味わっていただく事をおすすめします。

Via : BOOK.asahi.com「魯迅の言葉」 ドイツの「美しい本」コンクールで銀賞


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