Design
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デザインがもつ、違う役割の果たし方について “CORELLA”

商品とデザインと機能。その関係性について。
いきなり壮大なテーマですが、バルセロナのお肉屋さん「CORELLA」のあるパッケージデザインを取っ掛かりにしつつ、少し整理してみたい事があったので触れてみようかと思います。



CORELLA01
CORELLA02

CORELLA03

CORELLA04

via : fauna

肉の部位って、正直よく分からないところが多かったりします。
バラってどこ?とか、リブロースって?とか、ヒレってどこ?とか。
このパッケージは、そんな素朴な疑問を一目で解決する優れたデザインと言えるでしょう。


が、さてこのデザイン。
その一方で、こんな素朴な疑問も湧いてきます。

肉の「シズル」を伝えるための、デザイン。
肉の「品質」を伝えるための、デザイン。
肉の「情報」を伝えるための、デザイン。
肉の「安全」を伝えるための、デザイン。
肉の「価格」を伝えるための、デザイン。

例えば、企業や社会から要請される、このような一般的なデザイン与件もあろうと思います。
一言で言うと「買ってもらう」ためのデザイン与件です。
でも、ここではそれら与件より、「部位」を示すデザインへフォーカスされている。
その意図とは、一体なんだろう?という疑問です。


このデザインは、お肉のパーツ(部分)に対し、マップ(全体)を与えることで、ブラックボックスであったお肉という素材について知るきっかけを与えています。
「お肉への理解」という機能を果たすデザイン、と言い換えることも出来るでしょう。
もっと単純に言えば、「へえー」を生むデザインです。

ただ、もしそれで理解が深まったとしても、結果、例えば隣にあった3割引のお肉に手が伸びちゃった、という事はありえますよね。
でもそこは、パッケージデザインとして、ここでは許容をしているように見えます。

なぜ許容しているのでしょう?
あるいはこの許容は、何を意味しているのでしょう?
ここに、商品、デザイン、機能との関係性を考えるうえで、これまでとは違う価値観があるような気配がするのです。


結論を言うと、多分このパッケージデザイン、「へえー」を作る以外に意図はないんじゃないかと思います。
「このお肉は、ここの部位の事だよ」という事を教えてあげている、という親切心のみ。
もし子供と一緒に買いに来たなら、「ヒレってね、ここの事なんだよ」「へえー」みたいな会話がそこで生まれたらいいねー、という域に留まる親切心です。
それ以外の、消費を促すための意図や狙いは、ほぼ感じられない。

とすると、デザインの機能として言い換えるなら、こう言い換える事が出来るかもしれません。

その肉屋さんの「親切心」を伝える、デザイン。

親切心の結果、でも隣にあった3割引のお肉に手が伸びちゃう事もあるでしょう。
が、この親切心が表現されたデザインは、どんなブランドメッセージやビジュアルを打ち出される事より、強くそのブランドの人格を伝える機能を果たしている、と言い変える事も出来ると思います。


商品とデザインと機能という関係においては、デザインの機能イコール「買ってもらうこと」として理解されるケースが多かったと思います。

が、人と商品との間には、まだ違うつながり方がある、というヒントもちらほら散見している気がします。
例えば、へえーを提供しているだけに見えて、実はちがう機能も果しているという、このようなパッケージデザインのように。


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