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Present POST “Advertises” of the Year 2012

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“Book”, “Product & Servicie”, “Interactive” と、それぞれPresent POST版の2012年版ベストをまとめましたが、この “Advertising” で最後となります。

広告の持つ意味が拡張している今、どうここでは広告を捉えるのか?がテーマかと思いますが、このベスト版まとめでは、「そのブランドだけが持っている価値とは何か?」という点、または「伝えるその内容が持つ本質とは何か?」というテーマでなるべく捉え、まとめてみたいと考えています。

それでは早速10位から。

10位 “Jack Daniels – The Whisky Water Trick”

Jack Daniels による、言わば「世界一クールな水割りの飲み方」。

ブランドとしての「余裕」すら感じられる、「トリック」を使った、極めてエレガントなヴァイラル・ビデオです。

このビデオが象徴するポイントは、「品格」という点かと思っています。

ブランドを体現する広告として持っていたい「余裕」であり「品格」であり、ある種の「うなり」であり「羨望」の世界。

ヴァイラル・ビデオという手段なれど、広告のベーシックと言うべきその世界観が凝縮された映像。

でもベーシックであるが故に、むしろ新鮮に受け手にとっては映る、というその効果。

ちょっと大げさかもしれませんが、美しさだけで広告は成り立つ、という事を改めて示す映像だと思います。


9位 “LOUIS VUITTON – RED JOURNEY”

RED-JOURNEY

LOUIS VUITTON – RED JOURNEY

「旅」をテーマに掲げる LOUIS VUITTON が、次に題材として選んだのが「火星」。

もうその題材のスケールだけで、ゾクゾクするものがあると思います。

さらにその設定の魅力をそのままに、そして最大限に伝える美しい映像と音楽の構成。

「旅」というテーマで継続されたきたブランドとしての活動が、火星にまで至り、美しく官能的に展開される、というその跳躍力。

ブランドとしての精神性の高さ、志の高さ。

ブランド活動においては、これはファッションに限らない、まさに命というべきものだと思います。

追随を許さない圧倒さで、人を引きつけ魅了するブランドの在り方としての一つのベーシックを、ここまで華麗に提示したこの作品は、今年とても記憶に残りました。


8位 “Perfume global site project”

Perfume global site project

9位が圧倒的なビジョンで人を魅了するブランド構築の在り方なら、一方Perfumeのこのサイトの在り方は、ファンとクリエイターとの徹底的な関係性の深化という真逆の在り方。

Perfumeの3人が踊るモーションキャプチャデータをフリーで配布し、ソーシャルコーディングサービスgithub上での機能拡張やサンプルコードを公開する、という「二次創作エンターテイメント行為」による、彼女たちの世界進出。

「テクノロジー」と「ファンやクリエイターとの関係性」いう、Perfume特有のシンボリックワードと、「二次創作」というネット作法とが、きれいに合致した「広告」であると言えると思います。


7位 “MT EX Taipei”

「日用品を彩る」というマスキングテープの使用目的であり、本質的なその価値。

それをそのままに拡張し、「マスキングテープで、展示場そのものを彩る」という展示アイデアに形を移すだけで、ここまでの感動を覚える事ができる。

表現そのものが製品そのものを表し、製品の良さを伝えることそのものとなりえている、という事。

実直で、真面目で、夢のある、これこそが広告である、というべきものでないか、と思います。


6位 “TOYOTA – Protect What’s Behind You”

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パーキングにおける、クルマと子どもとの接触事故。

車社会における、あまり注目がなされないその問題に対する、社会的メッセージのアート化というその手法と、その親和性。

それが一目で伝わるものでないかと思います。

さらに、一企業として通過する事のできない、ある意味自分たちが引き金となり発生している社会問題の類い。

それにどう対峙していく事が必要なのか?というシリアスな問題。

そこに、このようなセンスで軽やかに答えるその姿には、とても現代的なヒントが詰まっているのではないか、と思います。


5位 “Honda – 負けるもんか”

今年、最も感動を覚え、訴えかけられた、力強いTVCMです。

真っすぐすぎるくらい真っすぐなコピーと、そこにあるHondaのチャレンジの歴史と精神性。

対象へのリスペクトと愛情、強さ、がそのまま現れた、映像だからこそより強く受け手に訴えかける素晴らしいTVCMです。


4位 “Samsung Camera – INsight”

目が見えないハンディッキャップを持った子どもたち。

彼らだからこそ、伝えられるカメラとしての本質。

すなわち

Sight is but a one way to see the world.

ー 目で見る事は、世界を知る一つの方法でしかない。

というメッセージ。

カメラの持つ本質を伝えながらも、人の想像力の豊かさ、美しさを訴える、非常に普遍的なそのテーマであり、メッセージ。

これは広告でなければできないこと。

そして、広告ってやっぱりいいなと、素直に思う瞬間。

静かな感動を覚える、素晴らしい広告活動と思います。


3位 “American Express – Small Business Gets an Official Day”

例えば「バレンタインデー」のような。例えば「クリスマス」のような。

カレンダーにまで関与してしまう試みでありながら、でも活動の本質は「地元の中小店舗を盛り上げ、活性化していく」というその趣旨。

そして結果的に広告活動としての目的にも応じたものとなり得ている、というそのアプローチ。

一企業が、ここまで社会的問題にまで踏み込みながら、大統領まで巻き込み、制度化し、成功させ、持続化させた広告活動としての試みなど、これまで過去にあったでしょうか?

それほどまでにインパクトの強い、印象的なプロジェクトです。

消費行動を刺激し、促進するのでなく、「支援し、プログラム化する事で、全体の活動を促進する」という考え方。

さらには、企業としての品性・人格における考慮にまで踏み込んだ広告活動の在り方。

課題に向き合う真摯な目線が、とても印象に残る「広告」です。


2位 “KUMON 2000+12 CALENDAR”

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プログラム化し、毎日を共有することで、人とブランドとがつながりあえる関係を作る。

AKQA レイ・イナモト氏が伝えるところの「360」ではなく「365」、という考え方の、アナログ版と言ってよいでしょう。

毎日算数を学んでもらうための、日常的なツールとして、「算数を計算すると、今日の日付が分かる」という日めくりカレンダーの再発明。

この、超シンプルながらも、だれも思いつかなかったその着眼点。

これこそが広告アイデアというべき、教科書のような試みでないかと思います。


1位 “Isaac’s Live Lip-Dub Proposal”

これは広告ではない、という意見が本来と思いますが、でもあえて広告のジャンルに、そして1位としたい映像です。

今現在で、1千7百万を越える再生回数にも至った「口パク・プロポーズ・パフォーマンス」映像。

観た後で、それが自分でないにも関わらず何か幸せな気分になれる。

人に、つい教えたくなる。

特定の相手に強いメッセージを与える光景は、その対象外の人々の心にも、強く引きつける。

プロポーズという普遍性を持ったテーマの場合、さらにその伝達性は強いものとなる。

「伝える」という行為にある、本質的なヒントが多く凝縮された映像である事と同時に、「人はどんな光景を観たいのか?」という人の根源的な欲求に対する一つの回答が見て取れるのではないか、とも思います。


と、広告というテーマなれど、一見全く広告でない内容も多く含んだ、Present POST版の2012年版ベスト。 いかがでしたでしょうか?

今年のエントリーは以上となりますが、トレンドの下にある見えない氷の山。 そこになるべく注意を払いながら、2013年もユニークと思われる様々な事例を取り上げていきたいと思っています。

それでは来年も引き続き、どうぞよろしくお願い致します!


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