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Webを「モノとして」残すこと。一過性と永続性との関係と価値について “Polaroid Cacher, KLM – Must See Map”

Polaroid Cacher01

Webには、即時的でありながら、アーカイブ性も併せ持つという点に、一つの特徴があります。

ただ、単にアーカイブされるだけでなく、コンテンツとテクノロジーの変化により、アップデートが繰り返される事で常に変化し続ける=アーカイブ的なんだけれど、実は超一過性でもある、

という特徴が、Webの一つの側面なのだろうと思います。

長距離的に見えて、超短距離的、というWebの特性。

特に、インタラクティブな側面が強ければ、それはなおの事と言えるでしょう。

例えば、Twitterにおける、一年前の今の時間の自分のタイムラインなんて、まさに掘り起す事などない刹那情報ですよね。




そう考えると「残す」という事に、ある価値が生まれる機会が見えてくるようにも思えます。

特に「モノ」として残すことへの目線です。

そのヒントを示すかのようなプロダクトが、「Polaroid Cacher」なるコンセプト。

タイトル通り、「その時の画面キャプチャを、ポラロイド写真のようにプリントアウトしてくれる」というプロダクトです。

Polaroid Cacher04

Polaroid Cacher02

Polaroid Cacher03

Polaroid Cacher from Adrià Navarro on Vimeo.

ポラロイドカメラが持つ「すぐ撮影できる、すぐ(モノとして)現像される」という特徴がを活かした、言わばポラロイド風プリンターです。

例えばですが、

facebookで自分の誕生日のときに、友達がくれたコメントなどを、ポラロイド風写真に出力し記念に保管しておく、とか。

Webデザイナーであれば、ローンチ時に出力し、それを集積する事でポートフォリオを作るだとか。

そういった自分にとって大切な事を、情報として流れて行かないように「モノ」としても所有をする(したい)というシチュエーションに対する、ある価値が提供できるように思えます。




これを例えば、キャンペーン的な文脈に置き換えれば、このような「Webのモノ化」事例があります。

KLM航空により行われた、「地図」をプレゼントしてくれるキャンペーンです。

KLM - Must See Map

「Must See Map」(必見の地図)と名付けられたこのキャンペーンは、自分が行きたいと思う場所に対し、そこに行った事のある友達から、おすすめの場所や情報を投稿してもらい、自分のためだけのレコメンド地図が作成できる、というするものです。

そして、この地図そのものは、デジタルデータとしてただアーカーブ化するのでなく、地図として印刷し、無料で自宅まで郵送してくれる、という点にまで広げている点にその特徴があります。

ネットサービスにおける地図とは、常にアップデートされ続け、変化し続ける事に本来ならば価値があるのですが、これはモノとして留め、所有し残すことに価値を置く、という真逆の考え方と言えるでしょう。




でも、決して逆行しているわけではない、という事。

一過的であるがゆえに、そこからこぼれ落ちた価値もまた存在し、そこに目を向ける事で新たな機会も生まれうる、という事を、この2つの試みは示していると思います。

他にこぼれ落ちている価値とは何があるだろう?

とても良質な問いが含まれた試みである、とも言えそうです。


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