Inspiration
Leave a comment

周縁のキーワードで振り返る2013年 – Part1 “RESENT Post Rewind 2013 – Part1”

2013年にリリース、話題となったインターネットやサービス、プロダクトのシーンにおける、さまざまなキーワード。
それらから、どちらかというと周縁のワードをランダムに集めながら、少しゆるめにつなげつつ、今年を振り返ってみようかと思います。
少し長くなりそうなので2回のエントリーに分けて。(Part2はこちらから


1. 「モノのインターネット化」

何を起点に始めていこうかと思ったのですが、モノのインターネット化は、これから挙げていく多くのキーワードに対し、ベールのように被い影響を与えるワードだろうと思えます。
なので、まずはここから見ていこうかと。

モノのインターネット化(IoT)とは、「Internet of Things」の訳で、「身の回りにある様々なモノが、インターネットへつながっていること」を指します。
これからはスマホだけじゃないんだよ、色々なモノもネットへつながっていくんだよ、という事ですが、ここでの焦点は「そのつながっているモノ自体のジャンルが一気に拡張し、サービスとして顕在化されてきた」という事じゃないかと思います。

例えば「Philips hue」のような照明系のモノから


Nest「Smoke & CO Alarm」のような、屋内センサー系のモノ


Nike+「FuelBand」にみられるフィットネス系のモノから、


「楽天キレイ℃ナビ」のような基礎体温計などのヘルスケア系のモノ、


果ては、ドライビングデータと連携した、車内ミュージックプレイヤーまで


とまだまだ広くあるかと思いますが、ここでポイントを一つ挙げるなら、プロダクトは、もはや「単純に単体を作って、売る」という話ではなくなってしまった、という事なんだろうと思います。
つまり「プロダクトとその周辺のサービスを含めて、体験自体をデザインする必要がある」という、今後のプロダクト開発における与件が変わってしまった、という事です。
いわゆる、「ハードウェア」、「ソフトウェア」、「エレクトロニクス」、「ネットワーク」、「サービス」。
その5要素によって、はじめてモノのインターネット化時代におけるプロダクトは成立される、という変化です。

「サービスデザイン」というワードも今年よく耳にする機会がありましたが、その背景の一つには、この提供されるプロダクト&サービスそのものの変化、という点も起因しているからと言えると思います。

THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Cases ー 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計
マーク・スティックドーン ヤコブ・シュナイダー
ビー・エヌ・エヌ新社
売り上げランキング: 4,310

2. 「オムニチャネル」
このモノのインターネット化を、マーケティング視点で考えた場合のキーワードが、「オムニ(すべての)チャネル」という概念なのだろうと思います。
そもそも常につながってるわけなんだから、「O2O」のようにオンラインとかオフラインとか、分けて考えもあんまり意味ないよね、という点。
だから出会いから購買、使用後の体験までをマーケティングとしてもデザインしていかないとね、という点に端を発する考え方です。
先ほどの「1. 」を経過すれば、言葉の違いというより、むしろ根っこの部分にある共通性が見て取れるような気がします。

で、じゃあ具体的にはどうやって、全てのチャネルに対し、サービスをデザインしていくの?どんな最適化の考え方があるの?という部分。
ここも感覚的にですが、いくつかキーワードが今年浮かび上がってきているような気がしています。
それについてを少し。

3. 例えば「CLO(Card Linked Offer)」が示すいやーな感じ(あるいはビッグデータへの印象)
一つ分かりやすく挙げられるのは、個人の行動履歴を起点に、パーソナライズされた提案を、勘所つきつつあらゆる接点で行っていきますよ、というものかと思います。
先ほどのモノのインターネット化で例として挙げたプロダクトは、全てこの考え方によるものですよね。

ただ、ここで例として挙げるようなCLOや、それにまつわる連携サービスのあり方を見ていると、なんだかビッグデータを活用してパーソナライズされたレコメンデーションを・・・うんぬん、のようなパワポ企画書じみたもやっとした世界観に、なんだかいやーな気分に途端に被われだすところもあったりします(この辺は、超個人的な、しかも感覚だけの話ですが)。
これはなぜなんでしょうね?
ここであえて例として、CLOとそれにまつわる連携サービスのあり方を挙げてみたいと思います。

「クレディセゾン」が開始した「セゾンCLO」などで、国内でも注目を集めだしたCLO。
「カード連携特典」などと訳されますが、一言で言いますと、カードの利用履歴に応じて、その人向けにクーポンを配信 & 実際の店舗でクーポン利用するとキャッシュバックなどのサービスが受けられますよ、という言わば「クレジットカード明細をプラットフォームにした、Amazon的レコメンデーション作法のサービス(にポイント的なサービスがくっついたもの)」のようなものです(下は、米のCLOベンダー「Cardlytics」による概要説明映像)。


来店促進&購入促進というだけで言いますと、いわゆる従来的なO2O施策に位置するものと思います。
が、これに来店検知&アプリ連動などのサービスメニューを加えていくとどうなるか?
来店時に、各売り場ごとで、これまでの来店履歴や購入履歴から、自分のアプリ等へ新商品やサービスのレコメンデーションが届けられてくる。
そして、ふとディスプレイに見をやれば、自分向けの商品広告がさりげなく配信までされている…。
「購買履歴」という個人情報が起点となり、モバイルデバイスが発展する事で、こういったより販売促進色の強い、常時広告掲出世界が可能となってくる。
そういった世界を、CLOは象徴しているのではないか?というように思えてきます。

ビッグデータというワードの中で、特にマーケ文脈で語られる時、なぜにこんなにワクワクしてこないのか?
というはじめの問いに戻ると、従来の囲い込み的1Wayの思想が、背景にちらほらとどうしても垣間見えてくるからなんじゃないか?という気がしたりもします。

モノのインターネット化、オムニチャネル、ビッグデータ。このあたりのキーワードで突っ込んだ話をあまりした事がないので、色んな人の考えを聴いてみたい気もします。

4. 「ショールーミング」と「お店とは?」への問い
一方で、オムニチャネルの文脈で考えた場合に避けて通れない、店頭における「ショールーミング」現象の問題。
個人的にはビッグデータ活用の話や、仕組みの話よりも、この現象が示す「ある問い」に答える事の方が、はるかに身近で大事な事なんじゃないか?という気がしています。

「我々がこれから先、店舗で本当に売るべきものとは、一体何なのか?」
もっと言えば
「そもそも、我々が、店で本当に売っているものとは、何なのか?」
という、店が持つべき価値への問いを含むのが、この「ショールーミング」現象ではないか?と。

店頭では、商品をチェックするだけ/試すだけ。
その代わりに、ネットで一番安い店を検索し、店頭ではなくネット上でモノを買うようになる、という消費行動の変化。 これが「ショールーミング」と呼ばれる現象です。

ただ商品を並べているだけであれば、結局はアマゾン検索によって、最も値段の安いショップで買われてしまう。
ではこれから、ショールームだけの存在に店はなってしまうのか?
これからのお店は、何をすべきなのか?

この問いと向き合うと、結局は2つしか選択肢はないような気がしています。
1)ネットでは検索されない商品を置く。
2)ネットではできない買い物の体験を提供する。

デバイスの進化と普及、EC等含めた提供サービスの豊富さ、常時ネット接続の環境によって、より買い方への選択肢が広がったこと。
特にEC側が、「得」「便利」という、シンプルで明確な存在理由を買い手に打ち出しているのに対し、店側の明確な存在理由は、実はまだ多くの買い手に示されていない、という事。
そこに、なぜショールーミングが起きているのか?への本質的な理由が潜んでいるのだと思います。

今年、店側の立場から、
「より、そこに住む人に近い目線で、店はあろう」
「より、売り手の意思を明確とする店であろう」
「街の中の “場” で、これからの店はあろう」
といった目線を持つ書籍が沢山出版され、共感を持って受け入れられつつあるのは、店のアイデンティティを示す事が切実に求められている背景がそこにあるから、という理由でないか?と思えるのです。

人が集まる「つなぎ場」のつくり方 -都市型茶室「6次元」の発想とは
ナカムラクニオ
阪急コミュニケーションズ
売り上げランキング: 8,520

善き書店員
善き書店員
posted with amazlet at 13.12.26
木村俊介
ミシマ社
売り上げランキング: 13,918



5. 小さな店向けのスマホ決済系サービス
後は、(特に小さな)店や場をより支援する、という要請にからめると、Square、PalPal Here、Coineyなどの、中小企業・個人事業主向けの、スマホをベースにしたカード決済サービスの提供も、今年のトピックかと思います。



このサービスジャンルの今後の面白さは、対象が小さな店向けだけに限るものでない、という幅の広さを持っている点かな、と思います。
例えば、イベント会場などでの利用シーンで展開可能な点や、「Square Stand」や「ユビレジ」など開催側にとって、より身軽であれる手段が提供される点などは、都市における「店舗やコトの移動性」というテーマにおいて、とても魅力的な価値を秘めていそうな気がしています。

あるいは、ユニクロ銀座で「Square」が導入されたように、Apple Store のような「レジを持たない/顧客を並ばせないショッピングスタイル」を実現しようとする小売店への適用は、とても需要の高い領域とも思います。
冒頭のサービスデザイン的な流れで言えば、店舗における購入体験を、より快適にする手段として結びついてくる感じですよね。


Part2へ続きます →


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です