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自閉症の子どもの世界を体感する。再現体験だけが持つ価値 “Auti-Sim”

Auti-Sim

「シミュレーション・エクササイズ」と呼ばれるリサーチ&デザインの手法があります。

できるだけ本物の状況に、人や環境を近づけた再現世界にデザイナーが身を置く事で、共感的に理解を得て、より問題解決的なデザインを実践していこうとするアプローチ。

例えば、有名なものでいうと、「高齢者疑似体験スーツ」などがそれに相当します。

プラスチックバンドを着け、動きを制限し、視界がぼやける眼鏡をかけ、バランスを取りにくくする靴を履く。

さらには、身体を前屈みにする装具を付け、指先を不器用にする手袋を装着する。

これら装置による疑似体験によって、高齢者に対し共感し、意識を高め、真に必要とされる商品やサービスへ、より自覚的な配慮をデザイナーが担うよう期待するデザイン手法です。

このようなエクササイズが示す本質とは、

「一度身を以て体験してみない事には、想像することが難しい状況というのは存在する」ということ。 「そのようなタイプの状況の場合、その体験がない限り、どうあることが、その状況に改善をもたらすのか?」に対し、正しい回答へたどり着く事は困難であること。

という事なのだろうと思います。




その意味で、ショッキングでありながらも、とても重要なインタラクティブゲームが先日発表されました。

「Auti-Sim」という名の、聴覚過敏症を持つ自閉症の子どもの世界を体感できる、というUnityによって制作されたゲームです。

Auti-Sim

初めて体験する類いの、あらゆる音が増幅されて頭の中で鳴り響く喧噪の世界。

とてもショッキングな世界です。

耳を塞ぐしぐさをなぜ、自閉症をもつ子どもがするのか?

なぜ、一人でいることを望むのか?

その状況と理由に対し、理解し想像することが、このゲームによってできると思います。




あくまでゲームですので、もちろんリアリティに不足がある事は当然かと思いますが、 それでも、この再現体験は、どのような装飾的メッセージを受取る事より、強い意識変容を起こすと思います。



「こんな喧噪の世界にいざるを得ない彼らに、これからどんな接し方をすれば良いのだろう?」

「どうあったら、彼らの苦痛は軽減されるのだろう?」

「彼らは、何を望むだろう?」

このような問題を考えるきっかけを強力に与えるインタラクティブゲーム。

再現体験だけが持つ価値や、テクノロジーが持つ人にアクションを促す力の強さ。

それらについて、強く確認することのできる一つの提案だと思います。




ちなみに「色覚」系については、その人の多さという点や、再現のしやすさという点から、シミュレータ類についてはとても豊富かと思います。

たとえばですが、このような「色のシミュレータ」アプリですね。

あるいは「ゴッホの絵」を利用した、このような比較です。

一般的な見え方

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色覚異常の見え方

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一般的な見え方

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色覚異常の見え方

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再現体験が持つ共感力の強さを、改めて感じ入ります。


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